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利用者さまの生活を支えるために~介護施設の看護師として~

今回は「医療法人社団 長久会 介護老人保健施設(※1) 加賀のぞみ園」に勤務する看護師の池田 ますみ さんに介護施設の看護師としてのやりがいやさまざまな思いについてお話を聴かせていただきました。

どのようなお仕事をしていますか?

当園では、医師や介護職員、リハビリ職員などのさまざまな専門職と連携して、その都度情報交換をしながら利用者さまの生活をサポートしています。介護職員は食事や排泄、入浴の介助など、利用者さまの生活全般をサポートすることが主な仕事となりますが、看護師は介護職員と同様のサポートの他に、健康管理や配薬管理、痰の吸引、褥瘡の処置、胃ろうをしている方の対応やバルーン交換などの医療的なケアを行っています。

どのようなことを大切にしてお仕事をしていますか?

当園には、利用者さまとかかわるときに大切にしている「4つの原則」があります。当園の全職員が大切にしていることですが、①利用者様のペースに合わせること、②やさしくふれあうこと、③同じ目の高さで接すること、④ダメと言わないこと。この4つの原則をもとに、日々利用者さまがその人らしく、共に笑顔で楽しみのある生活が送れるようにかかわっています。

どんなところにやりがいを感じていますか?

病院で仕事をしていた時は、患者さまの病気の治療のために看護を行っていましたが、忙しさから患者さま一人ひとりとじっくり向き合ってかかわることが難しいと感じていました。施設では、病院の時ほど医療行為に携わることが多くないため、利用者さまの日常生活に寄り添い、コミュニケーションを大切にしながら、ゆったりとかかわることができるところがとても魅力的でやりがいを感じています。

お仕事をしていてどんなところが大変ですか?

当園には医師がいますが、平日の日中だけなので、医師が不在の土日祝日の時に利用者さまの容態が急変した場合、関連病院の医師に往診を依頼するか、すぐに病院へ救急搬送するかを看護師が見極めなければいけません。医療に関する看護師としての知識が問われますし、何より利用者さまの命と向き合うことになるため、とても重大な責任があり大変なところだと思っています。

これから目指していきたいことを教えてください。

利用者さまの体や心の準備が不十分なまま病院を退院しなければならない時に、当園がご自宅への橋渡し役として、利用者さまやご家族さまが安心してご自宅で過ごすことができるようにサポートしていきたいと思っています。その一方では、ご自宅での生活が難しい利用者さまには、これからの人生を最期までどのように過ごしていきたいかを一緒に考えていきたいと思っています。その人にとって、少しでも満足できる人生が送れるように寄り添っていきたいと思っています。

コロナ禍ということで、施設のことや職員さんのことを知る機会が少なくなっています。施設で働く職員さんのことを今回のようなインタビューをとおして皆さんに少しでもお伝えできたらと思います。

【※1】介護老人保健施設
介護老人保健施設は、医師による医学的管理の下、昼夜の看護・介護をはじめ日常生活動作を中心としたリハビリテーション、レクリエーションなどを行いながら在宅復帰を目指す介護保険の入所施設です。

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